いつもどおりが通用しない!
自信満々で迎えた当日。ところが・・・
鉛筆を持つ手は震え、問題は頭に入らず、時間ばかりが減っていく。
最初の1問目から全く分からず頭が真っ白になってしまった私は、最後まで浮足立ったまま試験終了の合図を耳にすることになりました。結果は68点で不合格。勉強目標は全て達成、この間に読んだ本は30冊を超えており、自信を持って受けただけにショックでした。
”いつもどおり”のやり方で行けば、絶対合格できる。これまで受けた試験や資格勉強の類は、過去問を中心とした対策で全て上手くいってました。ニュース検定も同じだろうと高をくくっていました。
ただ、気になる点もありました。
・1級の合格率だけ異常に低いこと
・1級用の問題が筆記しかないこと
・過去問が役に立たない可能性があること
合格率が極端に低いのは通常の試験対策が通用しないからではないか。1級用練習問題が筆記のみということは、準2・2級の模擬問題からは出ないのではないか。時事問題なので、過去問による対策は意味がないのではないか───懸念はあったものの、当時は1級の情報が極端に少なく、有効な対策を見つけることができませんでした。
試験を終えてわかったことは”いつもどおり”は通用しないということでした。
1級対策はテキスト重視!
1級の難易度が飛び抜けて高いのは、普通が通用しないから────身を持って知った私は問題集重視主義をばっさり捨てました。
ガラリと変えた勉強法!結果は・・・
公式テキストをひたすら読み込む。これが1級対策の結論でした。
1級の問題を見直したとき、あることに気が付きました。「これも、あれも、それも、よく見ればテキストに載っているじゃないか」。初のニュース検定ではテキスト1割、問題集9割。もっとテキストを読んでおけば合格できたのではという気持ちが強く残りました。
翌2018年6月、2度目のニュース検定では勉強法をガラリと変えてのぞみました。
公式テキストを5周、問題集は準2・2級の問題を確認程度にとどめました。とにかくテキスト重視です。本も入門書を中心に3~4冊にしぼって、余った時間はテキストを読み込む時間に回しました。
結果は・・・89点で見事合格!
テキストと問題集の割合を1:9から9:1に変え、点数も68点から89点とひっくり返りました。勉強時間は前回と変わりありません。「テキスト中心で間違ってなかったんだ」
自信を持った私は1年後の6月検定でも合格、続いて初となる11月検定では、合格者が250人中9人という稀に見る高難度の回を全国最高得点で合格することができました。
ニュース検定1級の勉強はテキスト中心、これが基本となります。
1級合格へ~対策と勉強法
勉強配分はテキスト7割、問題集3割
テキストは3周以上読む
問題集は解説が大事
筆記は合格に直結!確実に点を稼ぐ
テキスト未掲載のニュースは新聞でチェック
4月 | テキスト1周目、1日1章ペースで。問題集は準2、2級の問題をテキストに合わせて |
5月 | テキスト2周目。余裕があれば3周目。問題集は準2、2級で9割以上取れるように仕上げる |
5月4周目~ | 問題集を切り上げ筆記対策へ。対策期間は1ヶ月 |
6月~ | テキスト3周目、休日は1日2章ペースで。あとは筆記対策 |
ラスト1週間 | 予備日。2~5月半ば位までのテキスト未掲載ニュースの対策 |
※勉強時間は1日1~2時間程度、期間は4月~6月検定前日までの約2ヶ月半を想定しています
勉強はテキスト7割、問題集3割
以前は8:2とよりテキストの読み込みを重視したものでした。1級では問題集そのままの問題は出てきません(筆記除く)。よって準2・2級の問題は確認程度で良いという考えでした。実際、それで結果も出ています。
しかし、検定を重ねるに連れて問題集の「使い方」が見えてきました。現在ではテキスト7割、問題集3割くらいが最善なのではと考えています。
テキストは3周以上読む
テキストは3周以上、丸暗記するくらいの気持ちで読みます。
私は本を読み終えたあと、内容を2割ほどしか覚えていないことがよくあります。本の内容を忘れない方法はないものかと、本の内容を忘れない本を読んだこともありました。残念ながら、本の内容を忘れない本の内容を忘れてしまうので役に立ちませんでしたが。
それでも同じジャンルの本を読み続けていると、いつの間にか内容を覚えていることに気が付きます。テキストを繰り返し読むのは、覚えようとがんばるよりも、忘れることを気にしない方が良い結果が出やすいからです。門前の小僧習わぬ経を読む、の精神で繰り返し読みましょう。
参考までに私のテキストの読み方をご紹介します。
(1)1周目は普通に読む。1日1単元程度
(2)2周目はラインを引きながら読む
(3)新しいニュースはテキストに直接書き込む
ノートは取っていません。ノートを取りながらだと時間が掛かり過ぎてしまうこと、取っても私が覚えていない(笑)のでやめました。関係を整理したい時はテキストに直接書き込んでいます。2~5月の注目ニュースもテキストに直接メモして、周回時に合わせて読んでいます。
問題集は解説が大事
1級合格を目指すなら、準2・2級の問題は9割超正解できるようにしておきましょう。まずはここがスタートになります。
問題集で大事なのは正答を覚えることではありません。正答以外の選択肢がなぜ違うのか、きちんと答えられるかが大事です。
そういった事実がないのか、一部が違うから間違っているのか、一部が違うなら正確にはどうなのか。選択肢1つ1つに答えられるようにしなけばいけません。そこで助けになるのが解説です。解説には、他の選択肢がなぜ違うのかが書かれているからです。
1級で同じ問題が出てくることはありませんが、いくつかの選択肢を組み合わせた問題が出てくることはあります。正答を覚えているだけはお手上げですが、他の選択肢にまで理解が及んでいれば正解にたどり着くことができます。
筆記は合格に直結!確実に点を稼ぐ
筆記を制する者は1級を制す!?
1級の問題は四択40問、筆記5問で構成されています。直近の2019年11月の検定では四択=1問2点、筆記問題は1問3点で「60字以内で説明せよ」の問題に限り8点という配点です。つまり、筆記問題は5問で20点稼げることなります。
さて、1級のみ出題される筆記問題ですが難易度はかなり簡単です。
6月検定に関して言えば5/5、20点を十分狙えます。合格基準が80点前後(実際は70点台中盤~)であることを考えると残り60点で合格、10問までは間違えても大丈夫ということになります。
筆記問題を制する者は1級を制す、です。
とにかく書く!筆記対策は”力技”で勝負
どうすれば筆記問題を制することができるのか。公式問題集で満点を取れるようにするのが一番の対策です。6月検定に限って言えば、5/5、全て問題集の中から出題される傾向が続いているからです(2017、2018、2019年6月検定)。
1級用の練習問題(=筆記問題)は80問、満点を取るのは大変に思えるかもしれませんが、うち6割に当たる48問は短い語句の記述なので難しくありません。大変なのは最後の1問、文字数制限のある問題をいかに覚えるか、です。
以下は私流の筆記対策をご紹介します。
60字以内で説明~自分の言葉で答えを書く!
筆記問題における最大の難関は60字以内で説明せよ、の問題です。
語句同様、練習問題を完全にマスター(つまり暗記)すれば確実に点が取れます。しかし、60字で説明する練習問題は全部で32問。全てを覚えるのは中々大変です。そこでオススメなのが「自分の言葉で答えを書く」方法です。
(1)一通り問題を解く
(2)解答例と自分の答えをミックスする
まずは問題を一通り解きます。ここで大切なのは最後まで自力でやり抜くこと。何が言いたいのかよく分からない文章になってもグッと我慢です。
次に、解答例と自分の答えをミックスさせていきます。なぜ、解答例をそのまま使用しないのかというと、他人の書いた文章は覚えにくいからです。解答例はあくまで例です。ポイントを抑えて、自分なりの答えを作った方が簡単に覚えることができます。
60字以内で説明~ワンパターンこそ勝利の方程式
答えをミックスさせる時に意識したいのが、特定の文章パターンを持つことです。私の場合は、以下のように文章を必ず2段に分けて答えるようにしていました。
(例)FTAとEPAの違いについて60字以内で答えよ
FTAは主に関税の削減や撤廃を目指す協定。EPAはより幅広く、知的財産権の保護や労働力の移動促進なども扱う。
文章の構成が毎回同じなので、覚えやすく浮かびやすいのがメリットです。60字以内で説明~の問題は、(1)自分の言葉で書くこと(2)文章に一定のパターンを持たせること、を意識すれば、全ての問題を無理なく覚えることができます。
テキスト中心で勉強を進め、筆記問題をマスターすれば合格はもう目の前です。次は最後の一押し、テキスト未掲載ニュースの対策をご紹介します。
新しいニュースは新聞でチェック
ニュース検定では、その年の2月~5月半ばまでの新しいニュース(11月検定では更に範囲が拡大)が出題されます。範囲が広いため「どう対策すればいいのかわからない」といった声もあるようです。
対策の基本は新聞です。普通のニュースを扱っている新聞であればどの新聞でもOKです。私は新聞に直接チェックを入れ、あとからテキストに書き込んでいます。
新聞でチェックするのは2点。公式テキストの内容に関連したニュースと、国際ニュースです。なぜ国際ニュースかというと、テキスト未掲載の問題は国際ニュースの割合が高い印象を受けるからです。日本のニュースはテキストの延長線上であることが多い(テキスト発売時に閣議決定された法案が国会で成立するなど)のに比べ、国際ニュースは全く新しい出来事が多いからでは…と推測しているのですが、どうでしょう。
月別のニュースの振り返りには、当サイトの今月の主なニュースをオススメします。ニュース検定に出そうなニュースをまとめています。
ニュース検定の勉強を始めたばかりの頃は、月別ニュースを探すのに苦労しました。新聞社のサイトを始め月のニュースのまとめはあるにはあるのですが、事件・事故やスポーツ・芸能など、ニュース検定では出題されないニュースも多く「これ」というものがありませんでした。ニュース検定に特化した月別ニュースはないものか、考えた末に出た結論が「よし、自分で作ろう」でした。それ以来、日々のニュースチェックも兼ねて毎月更新しています。
※追記
ニュース検定公式サイトで、テキスト発売後の重要ニュースを解説するページが開設するようです。リンクはこちら→季刊Newsファイル。公式テキストによると2020年6月、11月に実施する検定のそれぞれ1ヶ月前に更新するとのことです。
範囲外の問題は、全体の割合としては僅かです。公式テキスト・問題集をキッチリやれば8割前後は取れるので、気合より気楽、で行きましょう!
定番問題と解答テクニック
最後にニュース検定1級の定番問題と解答テクニックについて触れたいと思います。
ニュース検定1級「よくでる」定番問題
(1)憲法関係の問題(自衛隊を巡る裁判等)
(2)沖縄問題(基地関連、慰霊の日)
(3)経済指標について(月例経済報告)
(4)節目となる近現代史の出来事
(5)自民党の改憲草案
この5つは1級の定番問題です。
(1)自衛隊を巡る憲法判断の問題はよく出ます。また、憲法の条文を取り上げた問題も毎回2~3問出てきます。日本国憲法は一度で良いので全文、目を通しておきましょう。憲法は苦手、という方は簡単な入門書を読むことおすすめします。
(2)2019年に行われた県民投票の結果や、普天間基地移設合意~辺野古移設までの時系列は頭に入れておきましょう。ちなみに移設合意時の首相は橋本龍太郎首相です。あとは慰霊の日がどんな日なのかという問題がよく出ます。
(3)経済指標については特に月例経済報告について聞かれる問題が毎回のようにあり「月例経済報告ときたら→基調判断が注目される」とセットで覚えるべき重要語句です。
(4)2019年を例にすると、冷戦終結宣言から30年であることから6月・11月共にこれに絡んだ出題がありました。以前、角栄ブームが再燃した時はロッキード事件に絡んだ問題も出題されています。節目となる出来事は公式テキストでも触れられていますが、確実に解答するには一歩踏み込んだ知識が欲しい所です。ネットや本で流れを掴んでおきましょう。
(5)自民党の改憲草案(2012年)についてもよく出題されます。改憲草案全文と条文の意図(Q&A)はリンク先よりどうぞ。こちらも全文に目を通すことをおすすめします。同草案で問題とされている部分は多くの解説本が出ています。読んでおくと憲法への理解も深まります。
ニュース検定1級・問題の「解き方」
1級の問題を解くコツは、確実に合っているものを選択することです。
1級の問題はテキストにも問題集にも出ていない選択肢が多く、それがノイズとなって難しく感じられます。ただ、よく見ると「これは覚えがある」という選択肢があり、それが正解の手がかりになります。
パニックになった時は選択肢を丁寧に見て、これは事実で間違いないと思えるものを探しましょう。有り得そうな気がする、それっぽい気がする「気がする」を選ぶのは最後の最後です。
1級対策・勉強法のまとめ
勉強の中心はテキスト。繰り返し読んで覚える
問題集は解説を要チェック。正答率は9割超に
筆記は点取問題。模擬問題を完璧にしておく
新ニュースはテキスト関連・国際をチェック
定番問題は5つ。確実に合っているものを選択
苦手分野を克服したい方は1級合格へ~読んでおきたいこの一冊!も参考にしてみてください。
以上が私の行っているニュース検定1級の対策・勉強法となります。もちろん、これらは合格を保証するものではありませんが、勉強を進める上での指針にはなると思います。当コンテンツが、合格の一助になれば幸いです。