あしながおじさん (10歳までに読みたい世界名作) ~ジーン ウェブスター 小松原 宏子 (翻訳)
本書は特に訳が良いと思います。
躍動感があり、主人公ジュディの声が色を持って聞こえてきます。例えば、ジュディが友人のジャービス・ペンドルトンと言い合いになった時の事を振り返るシーン。手元にある本では「ほんとうにケンカをしたのかもしれません」とやや弱めの表現になっています。ところが本書では「いえ、あれはりっぱなケンカだわ!」と強い表現になっています。
どちらが正しい訳なのか私には分かりません。ただ、絶対に許さないんだから!とぷんぷんしているジュディの様子が目に浮かんでくる本書の訳が、私は好きです。
子供の頃に読んだ時は、手紙ばっかりの本という程度の印象でした。ところが今読み返してみると面白い事といったら!思わず完訳本と続編を買ってしまうくらい「あしながおじさん」にハマってしまいました。この本を選んでくれた6歳の娘に感謝です。
1周目は私が毎晩一章ずつ読み聞かせをしていましたが、2周目は自分で読んでいました。いわく「2周目の方が面白い」とのこと。その通りだと思います。ぜひ、親子で読んでみてください。
子供にオススメ!のレビューについて
今回は、会社の友人から子供にオススメの本がないか、と相談を受けた時にオススメした中の一冊を紹介しました。友人夫婦は本をあまり読まないそうで、子供には本を読んでほしいけど、どんな本をすすめれば良いかわからないとのことでした。
当サイトを見てくださっている方の中にも、同じような悩みを持っている方がいるかもしれない…
そう思い、娘が好きな本や、私が子供の頃に好きだった本もブログで紹介してみることにしました。男女の子供(1人は元、ですが)が好きな本を紹介するのでバランスが取れていると思うのですが、どうでしょう?
子供向けの本は、大人にもオススメです。興味が出て完訳本に手を出すキッカケになったり、新しい物語に出会うチャンスになったりするからです。また、子供と共通の話題ができることも見逃せません。おしゃべりな娘に「本当にあなたは赤毛のアンそっくりだね」と言うのは我が家定番のやりとりですが、このやりとりも親子両方が知っているからこそです。最も、こちらは皮肉で言っているつもりでも、娘の方はまんざらでもない様子で益々「舌好調」になってしまうのは困ったものですが。
子供にどんな本をすすめれば良いかわからない、という方の参考になれば幸いです。